山吹（やまぶき）

　バラ科の落葉低木。
　山野に自生し、茎は細く真っすぐに伸び、高さは約２メートル。晩春、径４センチメートルほどの黄色の五弁花が咲きます。園芸品種には八重咲きもあり、庭木用などに植栽されます。
　万葉集では、１７例ほどみられ、万葉後期の第四期〔天平５（７３３）〜天平宝字３（７５９）年〕にその大半が詠まれており、それはほとんど大伴宿禰家持とその友であった大伴宿禰池主によるものです。庭に植えたり、カザシ（髪や冠の飾り）にしたことを歌った家持はとりわけこの花を好んでいたのでしょう。