第２回まほろば連句「たたなづく歌仙」
８月２０日に開始した「第２回まほろば連句」は、９月１８日に無事終了しました。参加してくださった皆様、読んでくださった皆様に厚く御礼申し上げます。
【表】
1.(秋)たたなづく 山あふぎ見む 里の萩 惟光
2.(秋)霧の彼方に 遠き鹿鳴（ろくめい） 玉源
3.(秋)東路の 紅葉の霞む 庵にて 茶夢
4.(秋)君が便りか 初雁ぞ鳴く 一条
5.(雑)[月]月影に まぼろしゆらく 御簾のそと 美邑
6.(秋)雪と紛ひし 白菊の花 響
【裏】
7.(冬)霜踏みて こころあてにぞ 冬野行く 於邇
8.(冬)いろり あつかん ちゃんちゃんこ ねこ 茶夢
9.(雑)北国で ひとりしづかに すごす夜は 惟光
10.(夏)書（ふみ）を読みつつ 波の音（ね）を聞く 玉源
11.(夏)指先に 宿され色めく 桜貝 美邑
12.(夏)肩越す髪に かかる潮風 一条
13.(雑)[月]ほの白き 有明の月 仰ぎ見て 於邇
14.(雑)ふられ男の 置きわすれ傘 惟光
15.(雑)ぬりかべや ねずみ男と 連れ立ちて 玉源
16.(雑)琵琶の法師の 語り聞くらむ 茶夢
17.(春)[花]花見酒 楽打ち鳴らし 舞い踊る 一条
18.(雑)火影に浮かぶ 横顔ぞ誰（たれ） 於邇
【名残りの表】
19.(雑)化粧じて 我によこせし その笑顔 惟光
20.(雑)面影に見て 今日も旅ゆく 玉源
21.(秋)義兼に 月傾きぬ 赤城山 茶夢
22.(雑)義理と人情 きかぬ現世（うつしよ） 一条
23.(雑)早鐘の 鼓動抑へて 行き過ぎぬ 於邇
24.(雑)遠き思ひ出 しみる雨音 一条
25.(春)なまはげと ふるやのもりに おののきて 茶夢
26.(雑)大海原で 泳ぐ夢見き 玉源
27.(雑)帷子の 川で人目を 浴びるより 白花
28.(雑)橋占に問ふ 君が目を欲り 於邇
29.(雑)[月]月見つつ 枕を濡らし 君を待つ 芙蓉
30.(冬)遠く聞こゆる 山鹿の太鼓 玉源
【名残りの裏】
31.(冬)いつまでも 積めりし雪影 とかざらむ 美邑
32.(雑)君待つ故に 伸ばす黒髪 一条
33.(雑)洗へども 芥子の香とれぬ あな悔し 茶夢
34.(雑)焼肉くらひて いざごまかさむ 惟光
35.(春)[花]花の下（もと） 匂ふがごとき その姿 於邇
36.(春)春の浜辺に 小貝ひろはん 執筆