第４回まほろば連句
２月４日立春を期して開催した「第４回まほろば連句」も３月１９日に無事に終了しました。
今回もまた、早くも３句目で二筋に分裂してしまいましたが、前回と異なり、早目に一本化しました。
参加してくださった皆様、読んでくださった皆様にお礼申し上げます。やがて始まる第５回をお楽しみに。
【表】
1.福寿草 雪の下から 顔を出し 梨亜
2.去年（こぞ）と変はらぬ 今朝の麦踏み 玉源
3a.初春に 誓ふも日々は ゆるさずて 惟光
4a.過ぎゆく風に ふとかへらむや 一条
5a.春の森 響く声音の 懐かしき 於邇
6a.月の兎も 浮かれて踊る 玉源
3b.より太く 生え育てとや はげむ翁 白花
4b.薫風揺らす 際の産声 茶夢
5b.床の辺に 光さやけく 月満ちて 白兎
6b.霜ふる夜の 肌のぬくもり 惟光
【裏】
7.笛のごと こずゑ震はせ 吹く風に 於邇
8.春のおとづれ 聞きてたたずむ 白花
9.嬉しげな 散歩の仔犬 いとほしや 玉源
10.夏草揺れる 鄙の細道 茶夢
11.酔ひ深き うき世の夢に 辿るかな 白兎
12.なにはの古都に 食ひだをれてむ 惟光
13.朧月 涙に暗るる 我照らし 梨亜
14.グラスの底に 揺れるため息 於邇
15.水底に たゆたふ記憶 深海魚 一条
16.浪の下にも 都はあらむと 玉源
17.浜風に 今宵万朶の 花吹雪 白兎
18.漢（をとこ）の背（せな）が 語る人生 於邇
【名残りの表】
19.レジ待ちで テネシーワルツ 口ずさむ 茶夢
20.アミノ酸入り ジュースを抱えて 梨亜
21.こふらくは 花嫁だっこ ダイエット 惟光
22.さて明日からと 三日でおはり 茶夢
23.いざゆかむ 天下分け目の おほいくさ 玉源
24.細きかひなの 腕まくりかな 於邇
25.むすめ子は やまふ母にぞ ほほゑみて 惟光
26.思ひたゆたふ 夕暮れの橋 白兎
27.契りける 時は迫れど 発ちかねて 玉源
28.二度寝決め込み もぐるコタツぞ 一条
29.飲みさしの 杯（はい）に満月（もちづき） 消え残り 茶夢
30.月光の下 揺れるコスモス 梨亜
【名残りの裏】
31.秋風は あなたのかをり 身をまかせ 惟光
32.ふと気がつけば 時は経にけり 於邇
33.わたの底 鯛や平目の 舞ひ見つつ 玉源
34.君と潜るは 青き珊瑚礁 白花
35.花吹雪 海風に乗れ 発つ君に 一条
36.晴れ着となりて 幸吹き寄せよ 玉源