第６回まほろば連句

　立秋を期して、８月７日に始まった「第６回まほろば連句」は、１０月１４日をもって無事に完結いたしました。始まったのは暑い盛りでした。何度も台風が来て、今はだいぶ涼しくなりました。参加してくださった方々、ご覧くださった方々に、厚く御礼申し上げます。

0.夏尽きて　また投ぜばや　夜の友　　　惟光

【表】

1.秋花の　咲く日だまりや　祝い酒　　　惟光

2.千重に百重に　交わす寿ぎ　　　一条

3.百千足る　此はまほろばぞ　いざ集へ　　　茶夢

4.天の鼓に　星々の歌　　　於邇

5.月夜野の　川辺に響く　虫の声　　　一条

6.土手上の道　君と歩まむ　　　惟光

【裏】

7.暁の　風さはやかに　吹きわたり　　　玉源

8.野分に伏せる　連れ女郎花　　　未知遠

9.乱れ初む　金の水泡に　萩手折る　　　茶夢

10.夢の万馬券　破りついでに　　　未知遠

11.場外で　荒れるも楽し　五輪（ごりん）かな　　　惟光

12.窓の外には　東雲の空　　　於邇

13.後朝（きぬぎぬ）の　別れを照らす　おぼろ月　　　玉源

14.メールの響き　空き腹に鳴る　　　惟光

15.淡雪の　肩に止まるや　お水取り　　　未知遠

16.ふられてこひし　白魚の指　　　茶夢

17.花さけば　見とれて寿司を　とりそこね　　　惟光

18.長屋の衆は　恐い物なし　　　玉源

【名残りの表】

19.雨風が　強くとも肩　寄せ合へば　　　於邇

20.椿の林　足摺岬　　　おいけ

21.黒潮の　流れはるけき　波頭　　　惟光

22.面影に見て　暮らす安曇野　　　玉源

23.若柳　舞姫の腰　忘れかね　　　惟光

24.四股踏むを見る　雨蛙かな　　　玉源

25.傘二つ　指呼に語らう　初ごころ　　　おいけ

26.館の主を　いかにとかせむ　　　玉源

27.入りしまま　戻らぬ人の　あるといふ　　　白花

28.身も細るまで　待つことしばし　　　波留

29.欠くること　なしと詠みける　望月の　　　玉源

30.満（た）れる面わで　団子くひけり　　　惟光

【名残りの裏】

31.思い人の　声もとめ聞く　野掛けかな　　　おいけ

32.せむすべ知らに　耳を澄ませど　　　玉源

33.ヴィオロンの　君は遥けき　島にあり　　　白花

34.身に寄す風は　春のためいき　　　惟光

35.花よりも　花と咲かむと　背伸びする　　　一条

36.ひた心こそ　輝きにけれ　　　於邇

←連句ページの目次へ