第６回連句（自注付き）
【表】
1.秋花の 咲く日だまりや 祝い酒 惟光 2004/08/07 (土) 12:13
常連さんに本日ゆかりの方がいるので、お祝いかねて詠んでみました。本日中に表、祝祭六句たまると面白いのだけど。
2.千重に百重に 交わす寿ぎ 一条 2004/08/07 (土) 21:01
脇句は亭主がつけるということで、なかなか付け手がいらっしゃらないようで。
僭越ながら、惟光先生のご指名であろうと解釈し、付けさせていただきました。
生きているということは、それだけで感謝と祝いの対象となります。ありがとうとおめでとうの気持ちを込めて。
3.百千足る 此はまほろばぞ いざ集へ 茶夢 2004/08/07 (土) 21:56
三句目の規則にはちょっとはずれてしまうんですが、めでたいので良しとしてください^^;
てんこちゃん、同い年おめでとう（笑）
4.天の鼓に 星々の歌 於邇 2004/08/07 (土) 23:14
天鼓（てんく）は、打たなくても妙音を出すという天人の鼓のことだそうです。「てんこ」とも読みますね。（く、苦しい。無理矢理……）
てんこさん、おめでとうございます。良い一年でありますように。
5.月夜野の 川辺に響く 虫の声 一条 2004/08/07 (土) 23:40
月夜の下 星と競う様に、地上では虫の声が...
余談ですが...
群馬県には「月夜野」という町があります。
初めてその名を見たのは電車の中吊り広告でしたが、素敵な名ですよね。
水上温泉と沼田市の間に位置し、山と川の美しい、蛍でも有名な場所です。
市町村合併で、もしかしたらこの町名も消えてしまうのでしょうか。
6.土手上の道 君と歩まむ 惟光 2004/08/08 (日) 00:44
さあ、また新しい日々を歩んでいきましょう。
異彩な趣で突如開始の祝祭連句も、華やかに楽しく、諧謔精神に満ちて、先を進めましょう。
【裏】
7.暁の 風さはやかに 吹きわたり 玉源 2004/08/08 (日) 01:22
てんこさん、おめでとうございます。「表、祝祭六句」に遅れてしまい、申し訳ありません。
「土手上の道」って、高いところにあって、道幅が狭いですね。なんか「孤高」を象徴するような気がします。そこを歩む人に連れがいるというのは美しいことです。そんなイメージで付けてみました。
8.野分に伏せる 連れ女郎花 未知遠 2004/08/10 (火) 03:42
9.乱れ初む 金の水泡に 萩手折る 茶夢 2004/08/12 (木) 20:52
「野分に伏せる連れ美人圧し 乱れ染む金の水泡に剥ぎ手折る」いやあ、大人ですねえ^^; 恥ずかしくて訳は言えませんねえ^^;
10.夢の万馬券 破りついでに 未知遠 2004/08/13 (金) 00:21
11.場外で 荒れるも楽し 五輪（ごりん）かな 惟光 2004/08/22 (日) 21:25
破れ散る馬券にまみれた場外売り場から五輪競技へと展開させてみました。
12.窓の外には 東雲の空 於邇 2004/08/22 (日) 21:45
ついつい見てしまうんですよねえ。睡眠不足は夏バテにつながるとわかってはいるんですけど。
13.後朝（きぬぎぬ）の 別れを照らす おぼろ月 玉源 2004/08/23 (月) 14:07
14.メールの響き 空き腹に鳴る 惟光 2004/08/28 (土) 00:18
後朝の別れといえば優雅ですケド。でもねぇ…お腹空くよね。運動（？）した後だもん。後朝の文も近頃はメールでしょうか？
15.淡雪の 肩に止まるや お水取り 未知遠 2004/08/28 (土) 14:16
16.ふられてこひし 白魚の指 茶夢 2004/08/28 (土) 20:40
雪に降られて恋しくなる我が妻なのか、既に振られていて待ってはくれない人なのか。
花につながりますかどうか。
17.花さけば 見とれて寿司を とりそこね 惟光 2004/08/29 (日) 00:21
「ふられる」と「白魚」で回転寿司にいきましょう。
18.長屋の衆は 恐い物なし 玉源 2004/09/01 (水) 00:59
落語の「長屋の花見」では、貧しい長屋の連中は、大根をかまぼこ、たくあんを卵焼き、番茶をお酒に見立てて花見に行きます。お茶けには酒柱が立ったりして。
そういう料理なら、花に見とれているうちに横から誰かに獲られてしまう心配もないでしょう。
「恐い物なし 長屋の花見」としたかったのですが、花の定座の次の句にまた花を出してはまずかろうと思い、上のようにしました。
【名残りの表】
19.雨風が 強くとも肩 寄せ合へば 於邇 2004/09/05 (日) 10:37
20.椿の林 足摺岬 おいけ 2004/09/05 (日) 12:22
田宮寅彦の小説
21.黒潮の 流れはるけき 波頭 惟光 2004/09/09 (木) 07:48
椿は赤いので青く黒く白く配色してみました。足摺岬からの眺望というより三宅島西部の岬で体験したときのイメージです。
22.面影に見て 暮らす安曇野 玉源 2004/09/12 (日) 00:11
海の句が続いたので、山に転じてみました。海で活躍した阿曇氏の中には、内陸に住みついた一族もあったようで。そういう人達は、黒潮の波頭を目に焼き付けていたかもしれません。海を偲ぶよすがとして、椰子の実や貝殻を持って来ていたかも。
23.若柳 舞姫の腰 忘れかね 惟光 2004/09/12 (日) 01:29
あまりいい句にはなりませんでしたが、体言止が続いたのと、面影といえば鴎外で「舞姫」。舞姫だったら柳腰。柳なら「春柳」にして季節の句に転じたかったし、「椿の林」が春にとれるかどうかビミョウなところでも、後を考えると「春」ともいかないだろうから初夏の柳ということで「若柳」としてみました。……アレ？ 「於母影」は鴎外だったよねぇ（･･;)
24.四股踏むを見る 雨蛙かな 玉源 2004/09/13 (月) 01:10
「若柳」はお相撲さん。「舞姫」は舞の海と黒姫山。若柳は、かつての舞の海や黒姫山の粘り腰に憧れ、自分も頑張らねばと四股踏みに励むのでした。それを見つめる雨蛙。その雨蛙こそ、何を隠そう、柳に飛びついて小野道風を発奮させた蛙の子孫なのでした……かどうか。(^_^)
25.傘二つ 指呼に語らう 初ごころ おいけ 2004/09/13 (月) 07:54
26.館の主を いかにとかせむ 玉源 2004/09/19 (日) 15:52
「風さそふ花よりもなほわれはまた春の名残りをいかにとかせむ」の辞世を残して（この辞世は史実かどうか疑わしいようですが）切腹した主君。どうすればよいか分からなかった片岡源五右衛門と磯貝十郎左衛門の両名。しかし、たまたま雨の日に２人で歩いていると、指呼の間に吉良屋敷。あの邸内に吉良がいると思った途端、初めてわき出した仇討ちへの思い。
27.入りしまま 戻らぬ人の あるといふ 白花 2004/09/19 (日) 23:16
「館」で連想したのが、ホーンテッドマンション。映画は観ていませんが、何やらこわそうな…。
次の句はディズニーランドには無縁そうなおじさんでなく、若いお嬢さんが続けてくださるでしょうか？
28.身も細るまで 待つことしばし 波留 2004/09/20 (月) 12:34
ディズニーつながりで。蜂蜜に引かれて木のうろ（？うろ覚えです）に入り込んだクマのプーさんは、食べ過ぎでやせるまで出られなくなりました。（こんなので月に続くでしょうか？）
29.欠くること なしと詠みける 望月の 玉源 2004/09/20 (月) 18:23
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」と詠んだ藤原道長。政敵は「盈つれば欠くる」などとつぶやきながら、月が細るのを待っていたことでしょう。
30.満（た）れる面わで 団子くひけり 惟光 2004/09/24 (金) 00:57
満月なら団子だよねえ……あれ？花の座の寿司と同工異曲？？
本当は月野うさぎでいきたかったのだけど…
【名残りの裏】
31.思い人の 声もとめ聞く 野掛けかな おいけ 2004/09/26 (日) 11:35
32.せむすべ知らに 耳を澄ませど 玉源 2004/10/06 (水) 13:17
思い人の声をもとめ聞いても虚しく。
人麻呂の泣血哀慟歌第一長歌の後半を踏まえてみました。
あと４首で、ハッピーな方向に転じてください。
33.ヴィオロンの 君は遥けき 島にあり 白花 2004/10/12 (火) 21:27
惟光さんが佐渡に行っていることを思い出して。
今は佐渡も朝イチで行ける場所になっていますが、「銀山」の頃を思えば「せむすべ」ない別れもあったでしょう。
ヴィオロンを抱えて銀山に行くなんてことはありゃしない？「島」の浮かぶのは日本海ではなく、地中海？カリブ海？？？
34.身に寄す風は 春のためいき 惟光 2004/10/13 (水) 00:40
つきすぎの観もありますケド、次が花の定座でしたよね。「身にしむ風」だと秋になるのでヴィオロンを受けて「秋の日のためいき」を「春のタメイキ」にしました。春霞が立つと恋もはじまるんですよね。白花さんへのせつない恋のためいきということで（^^)。（叱られるかな？）
35.花よりも 花と咲かむと 背伸びする 一条 2004/10/14 (木) 02:04
満開の桜の花に負けまいと、背伸びして振舞う、君はまだ蕾。
な〜んちゃって（笑）
36.ひた心こそ 輝きにけれ 於邇 2004/10/14 (木) 23:25
目一杯手を伸ばして、無理をして。でもそんな姿さえまぶしく見えるのは、若さがあるから。
蕾には蕾の、花には花の、枯れ葉には枯れ葉の（泣）風情がある……と、思いたい。
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