第８回まほろば連句

　４月２日に始まった「第８回まほろば連句」は６月２４日、無事に完結しました。参加してくださった方々、ご覧くださった方々に厚く御礼申し上げます。

【表】

1.卒業の　夜も明けゆけり　門出の日　　　惟光

2.越えむ山道に　霞たつらし　　　凡句

3.うららかな　春の日差しに　誘はれて　　　渋源

4.歩き歩いて　三千里　　　惟光

5.清明の　月に面影　たずねつつ　　　白兎

6.揺らぐ光は　金のかんざし　　　美邑

【裏】

7.すそ乱れ　衣紋の奥を　にわか雨　　　未知遠

8.ああ夢であれ　この世界地図　　　渋源

9.地球博　愛は咲くらん　国を越え　　　おいけ

10.遥かの時を　越えてきらめく　　　白兎

11.夏の日の　思い出宿る　写真帖　　　惟光

12.見る影もなし　水着のあの娘　　　一条

13.避け難き　時の流れぞ　あはれなる　　　於邇

14.胡国の空の　蛾眉の月かな　　　おいけ

15.弦を張り　矢に文をつけ　飛ばしたや　　　未知遠

16.「愛（いと）し」と告げず　別（わか）つ君へと　　　一条

17.花の下　今なほ待つと　知らせばや　　　於邇

18.棗（なつめ）懐かし　人形遊び　　　渋源

【名残りの表】

19.蓼摘めば　その紅の　手にこぼれ　　　白兎

20.君がためとて　汗のだくだく　　　惟光

21.ぬぐう手に　白き衣は　香ほのか　　　美邑

22.みほとけの面（おも）　光増しけり　　　渋源

23.子等の声　蜻蛉の空に　谺して　　　於邇

24.秋刀魚焼く手も　鼻歌まじり　　　白兎

25.名にし負ふ　目黒の里は　大賑はひ　　　渋源

26.笑顔思ひて　行列にたつ　　　於邇

27.谷行（たにこう）と　散りし童子へ　手向け花　　　未知遠

28.孝子の鑑　天も照覧　　　渋源

29.花抱え　走る家路に　月明し　　　白兎

30.門限過ぎたと　落ち着かぬ父　　　一条

【名残りの裏】

31.ま愛(かな)しき　子の影求(と)めて　月朧　　　於邇

32.虚しきベンチ　目の端に見て　　　渋源

33.アベックの　等間隔に　並ぶを見　　　一条

34.たかが世の中　されど世の中　　　於邇

35.風さそふ　花に嵐の　たとへあり　　　渋源

36.堪へ泣き笑ひ　在りてこそ人　　　茶夢


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